[ポッドキャスト連携] #7 男性の自殺率が女性の3倍なのはなぜ? [記事和訳+解説]
みなさんこんにちは、みーです。
みーとさいたまの英語でダイバーシティーのエピソード7で取り上げた記事の和訳と英語解説です。
ポッドキャストのエピソードリンク:
#7 なぜ男性の自殺率は女性よりも3倍高いのか
記事のリンク:
Men have a suicide rate 3 times higher than women. What’s causing it?
ポッドキャストの詳細:
[カップルポッドキャスト]みーとさいたまの英語でダイバーシティー[英語学習]
記事和訳
なぜ男性の自殺率は女性よりも3倍高いのか
カナダを含む世界中で、男性がメンタルヘルスで苦しんでいるのは明らかだ。
毎年11月19日の国際男性デーでは、会話を促すことで、またふさわしい解決策を提供することで男性が直面するメンタルヘルスの問題に光を当てることを目的としている。
主催団体によると、男性は女性より自殺率が3倍高いという。
自殺率は、カナダの先住民族の男性だと急増する。15歳から24歳の先住民族ではない男性の場合、自殺率は10万人のうちの24人だが、先住民族男性では10万人のうち126人となる。
全体として、男性は女性より平均4〜5年早く亡くなる可能性が高い。
「男性は他のどのグループよりも自殺で亡くなっている。この事実に対処しなければならない」とファードス・ホセイニー氏はグローバル・ニュースに語った。ホセイニー氏はカナダメンタルヘルス協会(CMHA)の臨時全国CEOだ。
男性のメンタルヘルスに影響するリスク因子は4つある。アルコールと薬物依存、社会的孤立、致死率の高い自殺法を選ぶ傾向、そして助けを求めることを嫌がる性質だ。
助けを求めることに対する嫌悪感
ホセイニー氏は、女性は自分が抱える問題を共有しようとする一方、男性は「自分の内にこもってしまう」と片付けてしまうのは、あまりにも短絡的だという。
「しかしながら、何世代もの間多くの社会で男性に『強く』あれとけしかけ、男性が苦しんでいるのを認めてこなかったというのは事実です」
「社会は、小さな頃から男の子に感情的にならないよう条件付けています。なぜなら感情を露わにするのは『弱い』ことを意味するからです」
男の子が成長したとき、彼らにとって「男」たる意味が、ストイシズムや極端な我慢強さの概念と強く結びついている。
「弱さをわずかでも見せることは彼らの男らしさに汚点を作ることとみなされています」とホセイニー氏は述べた。
「『泣き言』や『意気地なし』『臆病者』という言葉に隠されたストレスやうつ病・自殺の可能性に直面することに対して条件づけられた嫌悪感は、社会化につきものの悲劇です」
これは、ストレスや不安を感じた時や悲しい時の対応を、両親がどのように子どもたちに条件づけているかが原因の1つだろう。
ホセイニー氏によると「子どもたちへの話し方や子どもたちに自分の話をさせるための促し方には違いが出てきます」という。
「母親は男児よりも女児に多く語り、感情を共有したり確認したりします」
男児や男性が助けを求めたとき、女性の場合と比べて扱いに差が出る
多くの男性が自殺で死亡し続ける理由の一部として、助けを求めたとき、それが女性だった場合と扱いに差があることが挙げられる。
モーベンバー基金による最近の調査で、男性は職を失うことを恐れてメンタルヘルスについて職場で話すことにいまだに抵抗があることがわかった。
イプソス・モリのリサーチャーも、18〜75歳のカナダ人男性1000人を対象に調査したところ似たような結果を得た。
カナダ人男性の28%が、職場でメンタルヘルスの悩みを話した場合、仕事を失うリスクがあると思っており、33%以上の男性がそれを口にした場合昇進の機会を逃さないか心配だと回答した。
また42%の男性が、それを理由に同僚が陰口を叩くのではないかと心配しているとも回答した。
「伝統的に男性の役割は仕事中心で、生産性があることや仕事があることが男性の人生や目的の中核となってきた」と、アシュリー・ベンダー医師はグローバルニュースに語った。ベンダー医師は、産業精神分析医でトロント大学の教授だ。
男性がメンタルヘルスのに悩みを打ち明け、それにより仕事を失う可能性が出てくると、その男性は孤独感に苛まれ、自分の一部を失ったかのように感じるだろう。
これが、不安や鬱、そして自殺の可能性を高めている。ベンダー医師によると、企業はメンタルヘルス問題を抱える従業員のサポート方法を刷新する努力をし、実際に実行に移す必要がある。
「認知を高めることで態度を改めるよう試みたとしても、不適切なリソース(心理療法の保険適用額が低いなど)を提供することは『問題があるのは知ってるがどうでもいい』と言っているようなものだ。そのせいで人々は『伝えても意味がない』と黙ってしまう」とベンダー医師は述べた。
自殺を防ぐには
ホセイニー氏によると、男性の自殺率を下げるには、「社会に存在する男らしさ問題に取り組む」ため、文化的な枠組みを根本的に変えていく必要があるという。
「社会には、男であるとは何か再定義する全員で共有するべき責任がある」
「助けを求めてもいい、苦しいと言ってもいい。助けを求めて手を伸ばすことは、強さの証で弱さではない」
同時に、支援やサポートにアクセスしやすいよう多くの方法を用意しておくことも必要だ。例えば、テクノロジーの活用は、匿名のままサポートを受けたい男性の助けとなる。
「ヘルプライン上であったとしても、他人に自分のことを打ち明けたくない人もいます。オンラインでのアプローチは男性の多くに効果が高い方法です」とホセイニー氏は語る。
「助けを求める心の準備ができる前に、自分たちで答えを見つけられる構造を用意しておくことが大切です」
英語解説
skyrocket
ロケットを思い浮かべてみてください。
発射と同時に、すごい勢いで空を上っていきますよね。その様子を描写する動詞です。
急上昇する、急増するといった意味で使われます。
Movember
記事ではMovember Foundationという機関の名前で出てきました。
Movemberはmoustache(口ひげ)とNovember(11月)を掛け合わせた造語です。
オーストラリアで始まったMovember Foundationによる取り組みで、11月は男性の健康問題を考える月間となっています。
カナダでもMovember月間はよく知られています。この運動へのサポートを表明するため、11月はひげを剃らずに伸ばし続ける男性をトロントでもよく見かけます。
12月になったらニュース記者のひげが一気になくなってて、あ、11月終わったんだなぁと思いました。
記事を読んで
今回の記事、読むのとっても辛かったです。
男性は弱みや悩みを口にしないのってすごく実感があります。友人家族含め。
しかも大抵、彼らはそれでいいと思っている様子で、指摘しても「大丈夫だから気にしないでー」みたいな反応をもらいます。
本当に小さい頃からの刷り込みが強いんでしょう。お友達同士でも悩み共有なんて男子はしなさそうですもんね。
記事で私が一番印象に残った文を引用します。
助けを求めてもいい、苦しいと言ってもいい。助けを求めて手を伸ばすことは、強さの証で弱さではない
「助けて」と声を出すのは強さです。ここ絶対に頭に置いておこうと思いました。
さいたまくんにもくり返し伝えていきたいと思います。
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