[ポッドキャスト連携] #16 オンタリオ州の性教育カリキュラム [記事和訳+解説]

みなさんこんにちは、みーです。

みーとさいたまの英語でダイバーシティーのエピソード16で取り上げた記事の和訳と英語解説です。

ポッドキャストのエピソードリンク:
#16 オンタリオ州の性教育カリキュラム

記事のリンク:
Human Development and Sexual Health education by grade

ポッドキャストの詳細:
[カップルポッドキャスト]みーとさいたまの英語でダイバーシティー[英語学習]

記事和訳

人間発達と性の健康に関する学年別の教育

1年生から8年生が学ぶ性教育の内容とその内容をその学年で教える理由を説明します。

1年生(6歳)

人体各部位の扱い方と名前を学ぶことで、自分や自分の身体への理解や関心を深め、病気や怪我、虐待が起きた場合に明確に説明し助けを求めることができるようにします。

子どもたちは、以下の内容を学びます。

  • 性器を含む人体各部位の正式名称
  • 自分の身体を表現する場合の前向きな言葉の使用
  • 感覚とその機能
  • 基本的な衛生習慣(例:手洗い、ティッシュの使用など)

2年生(7歳)

身体変化(例:乳歯の生え変わり)について学びます。それにより、以下について子どもたちの理解を助けます。

  • 身体変化への心の準備や順応
  • 身体変化への理解とそれをポジティブに受け止めること
  • 困った場合、信用できる大人と身体変化についてコミュニケーションを取ること

子どもたちは、以下の内容を学びます。

  • 人間発達の基本(乳児期、幼少期、思春期)と関連する身体変化
  • 口腔健康のための衛生習慣(例:歯磨き、フロス、歯医者の定期検診など)
  • 身体変化への理解

3年生(8歳)

健康的な対人関係を培うため、具体的に健康的な人間関係とはどういうものなのかを学びます。また、個性や他人を尊重することを学びます。

子どもたちは以下の内容を学びます。

  • 健康的な対人関係や同意・承諾の特徴(例:違いを受け入れること、耳を傾けること、個人の境界線を言葉にすること、また尊重すること、敬意を示すこと、正直でいること、率直に意見を交換すること)
  • いじめやその他の困難に立ち向かう方法(例:集団の圧や仲間外し)
  • 身体的・感情的発達に影響する要素や習慣(例:安全な環境、保護者、所属の実感、身体変化への理解、ポジティブな身体像を築くこと、睡眠、食事、運動)
  • 目に見える違い(例:肌や髪、目の色、服装、身体的能力)と目に見えない違い(例:学習能力、文化的価値観や信仰、さまざまな家族の形態)が個性であること
  • 違いを尊重しそれを示す方法

4年生(9歳)

今日、子どもたちの思春期は早まっています。平均的に、女児は8歳から13歳、男児は9歳から14歳の間に思春期に入ります。思春期に入る前に思春期について学ぶことで、身体的、感情的、社会的対人関係における変化への心の準備を助けます。

子どもたちは以下の内容を学びます。

  • 思春期に起こる身体変化と、その変化がもたらす成長期の子どもの感情や対人関係への影響
  • 思春期で必要な衛生習慣の変更(例:定期的な入浴の重要性)

5年生(10歳)

5年生までに、子どもたちは自己認識や対処スキルを発達し、批判的思考や内省スキルを学びます。

思春期がストレスになることもあるため、身体変化への理解を助けることで子どもたちは対処方法を学ぶことができます。また、思春期に入る時期に個人差があることも含め、自分自身や他人を受け入れ尊重することの重要性を引き続き学びます。

子どもたちは、以下の内容を学びます。

  • 自己理解や、性的指向を含む自己認識の発達に影響する要素(例:身体像や自己受容)
  • 生殖系や、思春期の身体変化
  • 月経や精子形成
  • 思春期特有の感情的・対人関係ストレスの言語化

6年生(11歳)

子どもたちが成長し思春期から青年期に移るにつれ、自分や周りの友人が経験する多くの変化に影響されることを理解させ、健康的な自己認識の構築を助けます。

6年生までに、問題の検討や解決のため、子どもたちは自己認識や対処スキルを発達し批判的思考や内省スキルを学びます。ステレオタイプや決めつけに関する学習に、これらのスキルを適用します。

ステレオタイプや決めつけについて検討し疑うことで、健康的な対人関係の土台を築くため、他人を尊重し、自尊心を養うことを引き続き学びます

子どもたちは以下の内容を学びます。

  • ポルノを含む性描写のあるメディアの視聴が及ぼす影響の理解
  • 思春期から青年期にかけて起こる身体的、社会的、感情的な変化(例:身体的成長、肌質の変化、仲間からの影響、強い感情の増幅)や健康的な対人関係の構築方法
  • 同意や明確な意思疎通の重要性を認識し、個人的な対人関係の中で自分と他人を尊重しながら意思決定すること
  • ステレオタイプ(ジェンダーや人種、性的指向、民族性、文化、能力に関する決めつけ)がどのように人の感情やその人の所属認識、対人関係に影響するか
  • 決めつけやステレオタイプ、同性愛嫌悪、人種差別に対処・挑戦する適切な方法

7年生(12歳)

子どもたちは、自身の健康に関わる適切な判断を下すため、その状況におかれる前に情報が必要です。

性の健康と人間発達について教育することは、性的行為を増長することにはならず、実際にはリスクのある行動を防ぐことが研究で証明されています

子どもたちは以下の内容を学びます。

  • 性的行為の先延ばし、同意のコンセプトや同意に関する意思疎通方法、意思疎通が明確であること、健康的な関係の中で性的行為を判断・決定するという理解の必要性について、パートナーと認識を共有することの重要性
  • 性感染症および血液感染症とその症状
  • 性感染症および血液感染症予防と避妊(初めての性交渉やその他の性的行為の遅延、コンドームの使用やその他の避妊方法)
  • 性の健康に関わる判断をする際考慮すべきべき身体的、感情的、社会的、心理的要因(例:性感染症および血液感染症のリスク、妊娠、心の準備、性的指向、モラルや宗教的考慮、文化的教え、他の対人関係への影響)
  • 思春期から青年期に起こる身体的・心理的変化の対人関係や性の健康への影響

8年生(13歳)

より深く自己理解や自己認識の力を養い、ポジティブで健康的な選択を促す要素の理解を築きます。また、発展中の対人関係や新しい対人関係を構築していく健康的な方法を学びます。

子どもたちは以下の内容を学びます。

  • 性的行為に関する安全で健康的な判断と、その判断力に影響を与える物事
  • 性の健康についてのよりどころ(例:両親、医療従事者、校内リソース、地元のコミュニティーグループ、宗教的・精神的・文化的指導者)
  • ジェンダー自認やジェンダー表現、性的指向や、若年者のポジティブな自己認識の発達を助ける要素
  • 性的行為について安全で健康的な判断をするための自制や避妊、同意
  • 性的親密さの度合い別の利点、リスク、欠点

英語解説

sound

soundとくれば名詞の「音」や動詞として使ったSounds good!「いいね!」の意味で使うことがほとんどではないでしょうか?

でも調べてみたら、soundには本当にいろんな意味があります。

詳しくはMerriam-Webster Dictionaryのsoundを確認してみてください。

今回の記事の中では、以下の使い方をしています。

to make

decisions about their health

これを見ると、形容詞として使われていることがわかりますね。

文脈をみれば、形容詞のsoundが持つ「健全な、正当な、理にかなった、正しい」といった意味になります。

sexually transmitted and blood borne infections (STBBIs)

私と同世代のさいたまくんや欧米で育ったこちらの友人と話すと、みんな性感染症については「STD: sexually transmitted diseases」の言葉を使います。

この世代ではSTDと教えられたということですね。

でも今回出てきたのはSTBBIs。さいたまくんも「今はこの言葉になってるのか〜」と覚えなおしていました。

sexually transmitted infectionsは性交渉によって感染する病気、blood borne infectionsは血液を介して感染する病気で、現在はまとめて(少なくともオンタリオ州の)子どもたちに教えられているみたいです。

abstinence

基本的には楽しい物事を自制する、つまり禁欲という意味がありますが、より具体的には、禁酒性欲の自制という意味で使われる言葉です。

abstinenceの動詞はabstainとなります。

記事を読んで

記事和訳にあるハイライトは、私が特に大切だなと思った部分です。

性的指向、ジェンダー自認、コンドームの使い方、同意のコンセプトなど、差が出てくるトピックはありそうですが、道徳的な考え方(違いを受け入れるなど)の教えは結構日本と似たところがあるのかなと感じました。

自分が子どもを持ったと仮定して考えましたが、オンタリオ州の性教育に私としては特に異存ありません。

ポッドキャストでも言ったように、この内容で自分としては足りないと思ったことや、遅すぎると感じたトピックに関しては、自分が子どもに教えられればいいなと感じました。

みなさんはどう思いましたか?

コメントお待ちしています!

エピソードの感想、質問、改善してほしい箇所など気軽にご連絡ください。

以下のいずれかから送っていただけるようにしています。

今日はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました:)

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