[ポッドキャスト連携] #14 企業は社員にワクチン接種を強制できるのか [記事和訳+解説]
みなさんこんにちは、みーです。
みーとさいたまの英語でダイバーシティーのエピソード14で取り上げた記事の和訳と英語解説です。
ポッドキャストのエピソードリンク:
#14 企業は社員にワクチン接種を強制できるのか
記事のリンク:
Can employers force you to get a COVID-19 vaccine?
ポッドキャストの詳細:
[カップルポッドキャスト]みーとさいたまの英語でダイバーシティー[英語学習]
記事和訳
企業が社員にワクチン接種を強制できる法的根拠はない、と専門家
トロントーカナダでのCOVID-19ワクチン提供が近づくにつれ、リモートワークで働く人々の職場復帰も目前となり、法と倫理に関わるさまざまな新しい問題に私たちは直面している。
その中でも、「企業が社員にワクチン接種を強制できるのか?」という疑問を取り上げたい。
労務弁護士によると、法的な前例はないという。
BC州ラングレーにあるフォルト弁護士事務所のエイミー・フランケル氏は「企業が社員に何を求めるかと何を期待するかには違いがあります」とCTVバンクーバーに語った。
現代の行動規範とカナダの法律を同時に考慮したとき「現時点で企業が雇用条件としてワクチン接種を求めることはできないと言えます」とフランケル氏は述べた。
オタワのサムフィル・トゥマーキン法律事務所所属の労務弁護士ブロック・ウレット氏は「企業がCOVID-19ワクチンを雇用条件にすることは許されません」とブログに書いた。
「ワクチン接種を必須にすることは認められませんが、職場でのCOVID-19感染拡大を減らすために、企業の多くがCOVID-19のワクチン接種を社員に強く勧めることになるでしょう」
連邦や州の政府や公衆衛生担当官は、COVID-19ワクチンは任意での接種になると述べた。
ブリティッシュ・コロンビア州の保険衛生担当官であるボニー・ヘンリー医師は「カナダおよびブリティッシュ・コロンビア州において、必須の予防注射プログラムは存在しません。COVIDワクチンが必須になることもありません」と、水曜日の記者会見で説明した。
ヘンリー医師によると、これは病院や介護施設などのリスクの高い職場でも同じだという。
ヘンリー医師は「ハイリスクな場所で働いたり生活したりしている場合、ワクチン接種を強く勧めます。予防注射を受けずにこういった場所を訪問しようと考えている人は、訪問はやめて他にすることを探してください」と述べた。
ジェイソン・ケニーアルバータ州知事は、州がワクチン接種を強制できる可能性が少しでもある既存の州法を改正すると約束した。
学校は数ある感染症への対策のため子どもたちのワクチン接種を要件としているが、健康上の理由や、道徳心または宗教上の理由による接種免除も可能だ。ウレット氏は、もし企業がCOVID-19ワクチン接種を拒否した社員を解雇した場合、人権侵害になりうると語った。
生体倫理学者でトロント 大学教授のケリー・ボウマン氏によると、ワクチンのリスクや人口のどれだけがワクチン接種すればウイルスを根絶できるのかなど、未解決の問題が多くあるうちにワクチン接種を必須にすることは倫理的に問題があるという。
ボウマン氏は「倫理的見地から、必須のワクチン接種には反対です。打ちたくないワクチン、または安全性が証明されていないワクチンを自分の身体に入れるというのは、真のインフォームド・コンセントとは言えません」と語った。
しかしながら、航空会社やレストラン、スポーツ・エンタテーメント施設など、人が集まるような環境でサービスを提供している一般企業は、ワクチン接種証明の提示を必須にするなどの独自のルールを設定することが可能だとボウマン氏は述べた。
「市場原理の動きは、行政がワクチンを必須にすることとは全く別の話です」
ボウマン氏は、自分や周りの人を守り普通の生活に戻るために、十分必要な人数のカナダ人がワクチンを接種するだろうと語った。
また、企業の職場環境衛生管理は義務だ。
ウレット氏は「現時点で、COVID-19ワクチン接種拒否により社員を解雇できる根拠はないでしょう」と述べた。「しかしながら、COVID-19ワクチンが接種可能な状態にあるのに社員が拒否した場合、企業はCOVID-19パンデミックが沈静するまでその社員の復職を認めない可能性もあります」
入国要件として、旅行者に特定のワクチン接種を求めている国もある。オーストラリアの航空会社カンタスのCEOは、搭乗者にワクチン接種証明の提示を求めることになると述べた。
航空会社の社員のワクチン接種はグレーエリアで、フランケル氏はワクチン接種に関する職場問題が裁判での訴訟になってしまうケースも出てくるだろうと予測している。
フランケル氏は「裁判や世論がどういう判断を下すのか、とても興味深いです」と語った。
英語解説
given
記事の中で、”Frankel says given current principles and the state of Canadian law...”という表現で使われています。
主語とbe動詞(受動態)やhave(完了系)もないことから、動詞のgiveとして使われていないことがわかります。
ということで、Meriam-Websterを早速見てみましょう:
given preposition
: in view of : CONSIDERING
Given what she knew about others' lives, how could she complain about her own?
— Marilyn French
この意味はMerriam-Websterでは3つ目に載っています。
prepositionとある通り、givenは前置詞にもなるんですね!
肝心の意味は「〜を考慮すると」となります。慣れないうちは、givenをconsideringに置き換えるとすんなり意味が頭に入ってくると思うのでおすすめです。
mandatory vs voluntary
この2つは反対語なのでセットで覚えておくと便利です。
ずばり、mandatory=義務の、必須の、voluntary=自発的な、任意のという意味です。
カナダ政府としてはコロナウイルスワクチンはvoluntaryだけど、一般企業によってはサービスを利用するのにワクチン接種をmandatoryにすると、記事には書かれていましたね。
court of public opinion
直訳すると「大衆の意見の裁判」となります。
わかりましたか?そう、「世論」です!
Court of lawつまり法の下に下される判断と対比して使われる言葉です。
例えば、ある物事について裁判では「是」と審判が下されても、世論はそれと反対の「非」という意見というのはよく聞く話ですよね。
記事を読んで
国や行政がワクチン接種を強制できないのは、個人の選択の自由が憲法上守られている以上、当然だと思います。
一般企業も表向きには強制できないのでしょうが、実際には記事にあったように何かと手段をとって「必須ではないけど受けないと仕方ない」と社員に思わせるように対応する会社が多そうですよね。
それは一瞬微妙かな…と思いそうなところですが、確かに、映画館や航空会社でワクチン受けてない人もOK状態のところは利用したくないかもというのが本音です。
自分がワクチン接種するかどうかについては、受けることになると思います。
日本がもしコロナウイルスワクチン接種を入国要件とするのなら、受けないという選択肢は私にはありません。
超特急で作られたワクチンを接種するのは正直心配ですがね…
とりあえず今は、各国で始まったワクチン接種の状況や副作用、効果など、情報収集を続けたいなと思っています。
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