海外の緊急避妊薬事情。カナダの場合
カナダの緊急避妊薬、オンタリオ州での中絶について知識として調べてみました。
日本産婦人科医会の前田津紀夫副会長
きっかけはTWITTERで流れてきた日本産婦人科医会の前田津紀夫副会長の発言。
番組は見ていないけれど、このBusiness Journalの記事を読みました👇
Business Journal
「若い女性」に限らず、老若男女に対して性教育はまったく足りていないというのが現実でしょうね。
産婦人科医でいろいろなケースを見てきたはずなのに偏った発言をするのは単純に不思議です。
日本の緊急避妊薬
今日本では緊急避妊薬を薬局で販売するかどうかで議論になっていると。
「緊急」避妊薬ですよね。
緊急に手に入れられなければ意味がありません。
現在日本では緊急避妊薬は産婦人科医の処方箋が必要なお薬で、対面診療のほか、2019年部分的にオンライン診療が許可されたそうです。
カナダの緊急避妊薬
どんな話題でも、海外に在住していると日本と在住国を比べてしまうのが海外移住者の常。
ということで、せっかくなのでカナダで緊急避妊薬はどのように扱われているか調べてみました。
緊急避妊薬の薬局での販売
カナダ保健省が緊急避妊薬を医師の処方箋なしで薬局で入手できるよう承認したのは2005年4月だったそうです。
緊急避妊薬は性交渉後の服用が早ければ早いほど効果的なため、医師の処方箋が必要なために(特に週末や祝日のせいで)生じる入手の遅れをなくし、女性が必要なときに確実に入手できる状況にするため、という至極最もな理由で承認されています。
当時のCBCの記事を読むと、カナダ産婦人科医会を始めカナダ医師会、カナダ薬剤師会、内外科大学協会、カナダ看護師会を含む医療関係団体がカナダ保健省の承認を支持した、と書かれています。
前田副会長と似たような「安易な使用」を危惧しての反対意見もこの記事で紹介されています。が、発言者が日本産婦人科医会の副会長か、人工妊娠中絶反対の政治団体会員かというのが大きな違いです。ははは。
緊急避妊薬の価格
緊急避妊薬の価格は、高くても$50未満(日本円で約4千円)のようです。
明確な価格情報が出てこなかったのですが、どこで購入するかによって価格は変わってきます。
薬局だと相対的に高く、地域の性のヘルスケアセンターなどだと安く手に入れられます。
薬局では割高とは言いますが、それでも$50未満とのことなので誰でもなんとかなりそうな価格ではあります。
コンドームは性感染症予防のため
15年前に緊急避妊薬が薬局で手に入れられるようになったカナダで、その後コンドームなしの性交渉が増えたのか、性感染症患者が増えたのかに関する統計は見つけられませんでした。
でも、カナダで生活していて親しい友人と避妊などの話になった時に印象深かったのは(男女ともいる場)、
- コンドームでは100%避妊できない
- コンドームは性感染症予防として必要かつマナー
- 避妊方法としては確実な低容量ピルを服用する
と言っていたことでした。
この認識は、きちんと調べている人にとっては当たり前ですが、日本人のカップルでこれをきちんと同じ目線で共有できている人は多くはなさそうです。
これを書いていて思い出しましたけど、日本人の元彼に何回かコンドームなしでしたいと言われてその度拒絶していたことを思い出しました。
今考えると本当にSon of the Bxxxx(ク○野郎)だなと思いますが、こういった場面で強く拒絶できない従順な女性が日本には多いだろうなと簡単に想像つきます。
オンタリオでの中絶
ついでにオンタリオでの中絶も調べてみました。
カナダは保険が州ごとに違うので、在住地のオンタリオだけしか調べていません…あしからず。
妊娠初期10周目までは、Mifegymisoという2種類1セットの薬を処方されるそうです。このお薬はOHIP(オンタリオ健康保険)の加入者であれば、無料で処方してもらえます。
またそれ以降の妊娠については手術での中絶になりますが、これも中絶手術の費用はOHIP(オンタリオ健康保険)が100%適用されるそうです。
いずれにしても無料で対応してもらえるというのは、女性としてとても安心できますね。
さいたまくんの一言
緊急避妊薬の一件をさいたまくんに話したら、
What's the point of "emergency" morning after pill?(「緊急」避妊薬の意味ないじゃん)
How can such a developed country be so damn?!(先進国で諸々が進んでる日本が、そんなバカなことでまだ議論してるとはどういうことだ)
と嘆いておられました。
日本でも早く緊急避妊薬が緊急に入手・服用できるようになるといいな。
では。