カナダ永住権手帖 (16) 私が海外移住を決意した大きな理由2つ
このシリーズでは一体どうやって私がカナダ永住権を取得するに至ったのか綴ってきました。
シリーズの締め括りに、永住権を申請した、つまり海外移住を決意したのはなぜかという点を振り返りたいと思います。
海外移住を考え始めたきっかけ
永住権取得までに至ったのは、まず大前提として運が良かったからというのは間違いありません。
というのも、永住権申請の申請資格を満たすのに有利なワークパーミットを取得できたのがとても大きいのです。
ワークパーミットは取得したいからと言って個人の意思だけで取得できるものではありません。
私はワーホリを取得した後、2ヶ月間ほどの就活を経て移民コンサル事務所で働き始めました。そこでの仕事が、得意なペーパーワークやライティング業務中心だったんです。
働き始めて半年ほど経った頃に「ワーホリの後はどう考えているの?帰国する?それともカナダに残りたい?」とボスから聞かれることが多くなりました。
会社側は、幸いにも私の仕事を評価してくれていたようで、私がカナダでの長期滞在や将来永住権取得を見据えているなら、ワークパーミットをサポートするとオファーしてくれました。
一番最初にその話を受けたときは、現実的に考えてワーホリ後は帰国しようと思っていたので、日本の転職サイトなどに一通り登録してブラウジングしているところでした。
そのオファーをもらってから、ワークパーミットを取得すればカナダの永住権を取得できるチャンスが広がるのか…と考え始めました。
せっかくオファーをいただけたのならという貧乏根性で、とりあえず会社のオファーをありがたく受けることにしたのが海外移住を意識し始めたきっかけです。
海外移住した理由 (一) 定住できる国がもう1つあるという保険
海外移住、もっと言うと他国の永住権を持っていることは、生き方のオプションが増えることになります。
カナダの永住権は、選挙権・被選挙権がないことと高度機密に関わる仕事に就けないこと以外は、市民権保持者(カナダ国民)と同じように暮らせるステータスです。
就労・就学は自由、労働して納税すれば社会保障は受けられる、基本的な医療は州の健康保険で無料。大学などは留学生としてではなくdomestic student(カナダ国内の生徒)の学費で通えます。
何が言いたいかというと、カナダの永住権は国民とほぼ同じように扱われるということです。
だから、永住権を持っていれば、日本とカナダの二つの国でビザなどの制限なく暮らせるのです。
例えば、ワークパーミットで働いた後帰国して日本で就職し直したとしても、様々な理由でやっぱりカナダに戻りたいと思った時に永住権があればカナダに渡航するだけです。
※ただしカナダ永住権は更新制なので、5年ごとに資格を満たし更新し続けなければならない点は注意が必要です。
長い人生を考えた時に、定住できる国がもう1つあるというのは大きなメリットであり、良いオプションであり、保険だなと思ったのでした。
海外移住した理由 (二) 同調圧力・性別役割分担から逃げたい
女性はどうあるべき、男性はどうあるべき、x歳をすぎたら結婚、などという日本の根強い性別役割分担や同調圧力が好きではありませんでした。
メディアで目にする映像や言葉には違和感ありまくりだし、友人や家族が口にするコメントに反論してもなぜか諭されたり苦笑されたり議論にもならず。そういうのが大多数の意見なんだなと不快に思ってました。
一方、カナダで暮らしていると、本当にいろんな人に出会います。既婚・未婚・事実婚、子あり・子なし、中年で大学生、子育てしながら勉強している主婦、夫婦で留学して語学学校に通うカップル、工事現場で働く女性、フライトアテンダントとして働く男性。
もちろん、性差別や性別役割分担がまったくないとは言えませんが、明らかに日本よりも少ないと思います。
性差別(だけではなくあらゆる差別も含めて)を是正しようという社会全体の意識を肌で感じられるし、年齢や性別でジャッジされるようなこともあまりありません。
そんな空気に居心地の良さを感じました。
しかも、もし将来子どもを授かったとして、カナダなら男女に関係なく性別役割分担や同調圧力がほとんどない環境で育てられるのか…と。
個人が自分の好きなように生きていて楽しんでいて、他人もそれに対して口を出さない社会が、自分の肌に合っているなと強く思ったのも海外移住を決めたもう1つの理由です。
海外移住、もちろん良いことばかりではないけれど
慣れ親しんだ日本の文化や家族、スケジュール通り動く公共交通機関や仕事、丁寧で気持ちの良いサービス、便利なコンビニ、何より美味しい日本食。
日本の恋しいことは本当にたくさんあって、海外移住して良いことばかりではまったくありません。
でも、自分が人生において大切にしたいこと、優先したいことを考えた時に、精神的に住み心地が良いのはカナダかなと思ったのが私が出した結論でした。
私のカナダ生活はまだまだ始まったばかりで、今後後悔することも出てくるかもしれませんが、それはまたその時に正直にブログに書きたいと思います。
とりあえずこのシリーズはここで終わりですが、海外移住についてはまだまだ書きたいことがあるのでシリーズを変えて続けます。
では。